なぜたばこが吸いたくなるのか
最近、煙草を吸う人の気持ちが分かってきた気がする。
僕はこれまで煙草を吸ったこともないし、これからも吸うつもりはない。
副流煙がどうも苦手で、吸いたいと思うことなんて一度もないだろうとさえ思っていた。
が、最近、どうも煙草が気になって仕方ない。
なぜ、急に煙草を吸いたくなったのだろう。
すると一つの考えに至った。
煙草は逃げのルーティーンなのだと。
聞こえは悪いが、これはとても重要な気がする。
僕は煙草が気になりだした時期は課題やらなんやらで時間に追われている生活を送っていた。
外に出るのも何か目的を持って出るだけで、ぶらぶらとでることもない。
いつも何か、やらなければならないことを前提に行動していた。
さて、ここで煙草を吸うことを振り返る。
偏見だが、煙草というのは物思いに耽るときが、逆に何も考えたくないときに吸う印象がある。
落ち着けるためもあるだろう。
ようは、日常の中で余白をつくりだすというのが、煙草を吸う行為だと思い始めた。
何かに追われている生活でも、煙草を加えながらベランダに出て夜空を遠く眺めるだけで、全然違うだろうと。
ただ、煙草を吸う気にはなれないので他に改善策をみつけたい。
もっと言えば僕は建築を学ぶ身として、この煙草の行為と同じような空間を提案するべきではないかと思う。
日常から逸脱するような空間を。
例えば、カーンのエシェリック邸は夕日のための窓がある。
家族が集まっている最中、夕日が会話を遮断する。
その夕日は煙草以上の余白を創り出すのではないか。
僕が今住んでいるワンルームは、そういう余白が足りない。
個人でできることはなんだろなと。