甘くなるまで反芻

日々、反芻の繰り返し。

なぜたばこが吸いたくなるのか

最近、煙草を吸う人の気持ちが分かってきた気がする。

僕はこれまで煙草を吸ったこともないし、これからも吸うつもりはない。

副流煙がどうも苦手で、吸いたいと思うことなんて一度もないだろうとさえ思っていた。

が、最近、どうも煙草が気になって仕方ない。

 

なぜ、急に煙草を吸いたくなったのだろう。

すると一つの考えに至った。

煙草は逃げのルーティーンなのだと。

聞こえは悪いが、これはとても重要な気がする。

僕は煙草が気になりだした時期は課題やらなんやらで時間に追われている生活を送っていた。

外に出るのも何か目的を持って出るだけで、ぶらぶらとでることもない。

いつも何か、やらなければならないことを前提に行動していた。

さて、ここで煙草を吸うことを振り返る。

偏見だが、煙草というのは物思いに耽るときが、逆に何も考えたくないときに吸う印象がある。

落ち着けるためもあるだろう。

ようは、日常の中で余白をつくりだすというのが、煙草を吸う行為だと思い始めた。

何かに追われている生活でも、煙草を加えながらベランダに出て夜空を遠く眺めるだけで、全然違うだろうと。

 

ただ、煙草を吸う気にはなれないので他に改善策をみつけたい。

もっと言えば僕は建築を学ぶ身として、この煙草の行為と同じような空間を提案するべきではないかと思う。

日常から逸脱するような空間を。

例えば、カーンのエシェリック邸は夕日のための窓がある。

家族が集まっている最中、夕日が会話を遮断する。

その夕日は煙草以上の余白を創り出すのではないか。

僕が今住んでいるワンルームは、そういう余白が足りない。

個人でできることはなんだろなと。

和風とは。

100年木造住宅が終わり、次のコンペに取り掛かる前に色々とまとめようと思う。

この木造住宅案で軸となったのは

 

・夢で体験した和風住宅の視点

高台寺の雰囲気

 

この2つにとても影響受けたと思っている。

まず、夢で見た和風建築。

この夢を見たのは、もう随分と前になる。

多分、同時期に堀口捨巳の八勝館御幸の間や西沢 立衛のウィークエンドハンスを見て、柱と木造住宅の関係を考えていたからだと思う。

地面とスラブは人一人分、間が空いていて柱が並べられている。

イメージとしてはウィークエンドハウスに近い。

ただ違うのは、柱の並び方が四方ではなく菱形だった。

四角い建物に対して菱形に並べられた柱があることで、当然、視界は斜めに映える。

僕は畳敷きの居間に座っていたがその視線の先には紅葉がきれいな木々が見えており、

実に感動した。

この雰囲気を今回の木造住宅に持ち込もうとした。

 

そして、高台寺で得た体験。

ちょうど、そのお寺では百鬼夜行の特集をしていた。

その妖怪たちには、口や耳、手がないものがいるのに対し、目がないものはいなかった。

そういえばこんな話を聞いたことがある。

仏像をつくるとき最後に開眼という作業があり、最後に眼を入れて魂を入れるということらしい。

妖怪に眼が必ずついているのも、それが元となっているのではないかと思った。

のっぺらぼうもいるが、あれは妖怪というより人を化かす動物が化けるとそうなるというのだから、まさに仏作って魂入れずという感じか?

 

と、まぁ、日本人は眼に対して特別な思いがあったに違いないという考えが生まれた。

ただ、和風建築は眼より音、気配を重要視しているように思える。

障子、木のきしむ音、庭園の砂利の音、虫の声。

目で見える部分で重要なのは構造とそのディティール、素材と関係性であり、そこから派生してくるものは大体見えないもの、見えにくいもの。

匂いもそうで、通気性が良いならご飯の匂いや浴室の匂いを感じられるし、それが人が確かに居るという安心感につながる。

要は、みえないものを思考の中で形にする、その媒体が和風建築なんだと。

妖怪も仏も見えないが形にすることで見えるようにする。

人の目で見えるようにし、思考の中で具体化させるために。

 

 

もうコンペには提出したが、作業自体は2日だったため内容は薄く、和風建築に対して現時点での解にすぎない。

それに考えさえもまだまとまりきってないので、駄目々々なんだけれどこれは自分の中で肥やし続ける。

 

京都観光記~清水寺から東寺まで~

建築を学び始めて1年と少し。

これまではコンクリートや鉄に興味を惹かれていたのですが、木の住宅コンペに参加したいと思い、木造建築と言えば京都だろうということで散策してきました。

 

8時前に河原町駅につきました。

そこから歩いて清水寺

 

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ほぼノープランだったため、道中に何があるのか知らないで行ったんですが、鴨川があるとは思いませんでした。

先日の豪雨の影響が心配でしたが、木って物凄く強いんですね。

鴨も泳いでました。

 

8時30分頃 清水寺

1年のうちに1週間しか開けない本堂に入れることが出来ました。(しかも最終日だったらしい)

撮影禁止だったので写真はありませんが、中でろうそくを200円で買いお祈りしてきました。

天井高は20mはありそうなくらい高く、その空間をろうそくの光やらで照らす様は沁みました。

 

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清水寺の床は木の節がそのままです。

なるほど。

靴を脱いで生活することが多い日本ならではの感覚なのかな。

すり減ってはいますが、しっかりと素材を感じれました。

 

 

 

 

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前々から工事中ということは知っていて行く気にはなれなかったのですが、工事中の清清水寺は逆に貴重なのでは...と思い、行くことに。

小学生ぶりだったんですが、当時の目では感じれなかったものもあり、知識の色眼鏡とはこのことか!と一人で納得していました。

 

次はロームシアター京都に行きたいなぁと思っていたのですが、何せノープランなので見えるものすべてが新鮮!

温泉街もそうですが、木造の町は雰囲気がいいですね。

寄り道ばかりしてしまいました。

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立派そうなお寺も発見。

 

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高台寺という有名なお寺だそう。

百鬼夜行の展示もしており、美術に疎い僕でも楽しめました。

庭も整備されており、とても良かった。

 近くに大きな大仏様があるお寺もあったので、そこも行ってきました。

拝観料を払い、パンフレットを受け取る際にここでもロウソクをもらったのでお祈りを。

その大きな大仏は霊山観音というらしく、中に干支の神様がいてそこでも自分の干支の仏さまの前でお祈りしてきました!

 

高台寺の拝観も終わり、いざロームシアター京都へ!

と思いましたが、やはり寄り道。いや、ほんと魅力がありすぎるんですよね。

お次は大雲院へ行ってきました。

鉄筋でできたお寺らしいです。

京都を見渡せるほど高い塔?にも上ることができ、爽快でした。

 

 道中、京都国立近代美術館があり、バウハウス特集だったので行ってきました。

バウハウスの歴史や生徒の作品が展示されており、なるほど~~という感じ。

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雨が降る予報だったのにも関わらず傘を持ってきていないせいでしばらく待機..

 

 

さて、バウハウスの展示を見終えた後はついにロームシアター京都!

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この迫力!

 

 

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素材感が出ていてほんと気持ちよかった!

コンクリートもところどころで質感が違っていました。

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次は東本願寺へ。

何度かの改修工事によって、規模がそのたび拡張されたみたいです。

個人的に、それが一番魅力的でした。

保存ではなく、用途や場合に合わせて大きくするのってメタボリズムに似てるような

 

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次は東寺に行きました。

閉園ギリギリにいったため、思うように観光は出来ませんでしたが、それでもほぉーっとなりました。

 

最後は京都駅。

 

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個人的に原さんと言えばこの空中に浮かぶこれ。

 

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この京都旅行で一番楽しみだったのが京都駅。

感動した。

 

 

 

旅行記がなぜこんな雑かというと、早く自分が思ったことを整理したいから。

次の更新はその整理。

 

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バスは使用せず徒歩のみだったのでこの移動距離。

バスを使用すればもっと効率よく回れるかもしれません。

ただ、京都の町屋は本当に気持ちいいものがあったので、個人的には徒歩をおすすめします。